「産業資材を回収し、再利用の可能性について提案する」レミダの取り組み①
エロイザ・ディ・ロッコ
レミダ・リサーチ・トレーニング担当(レッジョ・チルドレン・ファウンデーション職員)
―― エロイザさん、本日はよろしくお願いします。はじめに、レミダの活動について、簡単に教えてもらえますか?
クリエイティブ・リサイクル・センター・レミダ(以下、レミダ)は、イタリアのエミリア・ロマーニャ州レッジョ・エミリア市で、1996年に誕生しました。今では、この街だけに限らず、イタリア国内はもとより、海外にも多くのセンターがあります。
レミダは、企業や店舗から廃棄される産業資材を回収し、再利用の可能性について提案するプロジェクトです。レッジョ・エミリア市内から送られてくる産業資材は、レミダに到着した後、整理されて棚に並べられます。
このプロジェクトの特徴を述べましょう。第一の特徴として、ここに来る様々な素材が中古品ではないことが上げられます。つまり、家やオフィスから出てくるすでに使用された素材とは違うのです。新品ではあるものの、何らかの理由で廃棄されてしまう、本来はゴミになるはずの素材です。なぜ廃棄されるかというと、故障があったり、生産量が多すぎたりするからなのですが、工業用素材を製造している企業にとっては、廃棄物を生み出してしまうことは避けられない問題になっています。このような素材の特別な点は、新品であることと、大量にあることです。つまり、使われていない同じ素材が大量にあるということです。
レミダは、企業や店舗から廃棄される産業資材を回収し、再利用の可能性について提案するプロジェクトです。
第二の特徴は、これらの素材をゴミとしてではなく、さまざまな目的のための資源として見ることを提案することにあります。レッジョ・エミリア市の保育士や教師たちは、レミダに来て、ここに集められ展示された素材を持ち帰り、それぞれの保育園や学校のプロジェクトに利用することが出来ます。つまり、主な利用は教育目的ですが、それだけではありません。私たちは、素材を活用したトレーニングの開発や、アーティストによるインスタレーションも行っています。
―― レミダはどのような経緯で誕生したのでしょうか?
レミダが誕生したのは今から25年前に遡りますが、これは、3つのパートナーが一緒になって生みだされたプロジェクトです。このことは、非常に重要なことです。レミダは、国際的に知られるレッジョ・チルドレン・ファウンデーション(以下、レッジョ・チルドレン)だけに属する訳ではありません。
まず第一のパートナーは、レッジョ・エミリアの自治体です。レッジョ・エミリアの自治体は、0歳から6歳までのすべての保育園を管轄しています。2番目のパートナーはイーレン(iren)です。これはレッジョ・エミリア市やイタリアの諸都市に水やエネルギー、ゴミの収集などを提供している公益事業会社です。そして3つ目のパートナーがレッジョ・チルドレンで、この組織は、国際的なパートナーと共に世界中の教育問題を研究しています。実は、私はレッジョ・チルドレンの職員です。レッジョ・チルドレンでは、サステナビリティに関するさまざまなプロジェクトが行われていて、私は、レミダのプロジェクトだけでなく、サステナビリティに関連する他のプロジェクトにも携わっています。
レッジョ・チルドレン・ファウンデーション
レッジョ・エミリア・アプローチを世界に広めるべ く 2011 年 に 設 立 さ れた非営利団体。レッジョ・エ ミ リ ア・ ア プ ロ ー チでは、主に保育園・幼稚園・小学校など初等教育を 対 象 に 教 育 方 法 の 研究・実践がなされており、子どもたちが持つ多様な個性を、絵画・彫刻・演劇など象徴的言語を日常生活の中で使いながら育むことを目指す。主なプロジェクトに、「レミダ」の他、コミュニティを活用した教育改善プロジェク ト「 エ デ ュ カ 」、 子 どもの教育への貢献を顕彰する「ローリス・マラグッツィ賞」などがある。